Fujitsu LimitedとSony Bank, Inc.がジェネレーティブAIを“基幹銀行システム”開発に統合へ
2025年10月6日、Fujitsu と Sony Bank が、Sony Bankの新たなクラウドネイティブ基幹銀行システム開発において、ジェネレーティブAIを活用する協業を発表しました。出典発表によると、Fujitsu のコアバンキングソリューションに対して、ナレッジグラフ強化型RAG（Retrieval Augmented Generation）技術を組み込み、仕様定義・テストなど開発プロセス全体にジェネレーティブAIを導入。2026年4月までにすべての開発案件に適用し、開発期間を最大20%短縮することを目指しています。
この件がなぜ重要かというと、金融機関の“伝統的システム構築”が、AI＋クラウドネイティブ環境へと転換する象徴的な動きであるためです。国内の地方銀行・信用金庫にも、例えば福岡・九州圏で、基幹システムをゼロから刷新しつつ、AIを開発工程から内製・活用する流れが“実務モデル”として示された点が大きいと言えます。
さらに、システム全体に対してジェネレーティブAIを組み込むことで、開発者の作業を支援するだけでなく、要件定義→設計→テスト→運用という“システムライフサイクル”の中にAIを埋め込む発想が現実化しつつあるという意義もあります。
Advanced Micro Devices, Inc.（AMD）と OpenAI が6ギガワット規模のGPU提供で戦略提携
同日、AMD と OpenAI が、次世代AIインフラ向けに「6 ギガワット相当のAMD Instinct GPU」提供を伴う戦略契約を締結すると発表。初回1ギガワット分の導入を2026年後半から開始し、マルチジェネレーション構成でAIインフラを強化する予定です。
さらに、契約には最大1億6000万株のAMD普通株をOpenAIに割り当てるワラント条項も含まれています。
これはなぜ重要かというと、AIシステム開発・運用において「計算リソース＝GPU／ハードウェア」が依然としてボトルネックであり、その供給体制・提携構造の変化が、AI活用のスケーラビリティに直結するためです。福岡地区でシステムを設計・運用する企業や自治体も、ハードウェア調達・クラウド／オン-プレインフラ設計を検討する上で、こうしたグローバルな動きを意識することが、実務上のリスク・機会双方を把握する鍵となります。
Globantが自社AIプラットフォーム「GEAI 2.3」で“商取引可能なAIエージェント”を実装
2025年10月6日付のプレスリリースで、Globant は自社のエンタープライズ向けAIプラットフォーム「GEAI」のバージョン2.3を発表。新たに「Agentic Commerce Protocol（ACP）」を統合し、AIエージェントが会話だけでなく決済・商取引を実行可能とする機能を備えています。
この発表の重要性は、AIシステムが“データ分析・支援”を超えて“実業務の実行”＝意思決定・決済まで担うフェーズへ移行しつつあることを示している点です。福岡・地方企業であっても、例えば観光予約システムや飲食予約チャットボットが、AIを通じて“自動的に注文・決済”を行い、システム化・自動化を一段階深めるためのモデルとして参考になります。
コラム：福岡の“地域システム開発”における「AI＋クラウド＋プロセス革新」の羅針盤
今回ご紹介した3件はいずれも「AIを用いたシステム開発・運用」の“縦串”を貫くものです。
すなわち、（1）開発プロセスにジェネレーティブAIを組み込む（Fujitsu×Sony Bank）、（2）インフラとしてのハードウェア基盤を強化する（AMD×OpenAI）、（3）AIエージェントが業務を自動実行するレイヤーに踏み込む（Globant）という流れです。
福岡で例えば、自治体／地元企業が観光案内チャットボットを検討するとき、下記のようなロードマップを参考にできます。
– 観光案内データの収集・整備 → 開発プロセスにAI支援を導入（開発効率化）
– クラウド／GPUインフラ選定（地元データセンター／ハイブリッドモデル：ハードウェア強化）
– チャットボットから予約・決済・レビュー収集まで一気通貫でAI代理実行（業務自動化）
このように「AIを活用したシステム開発・運用」の３軸をともに整備することが、地方企業・自治体にとっても“競争力ある”体制構築につながると考えられます。